スタッフコラム

サノファーマシースタッフが、
日常のあれこれを綴ります。

「日常、見ることのない世界・・・」

【すず薬局大宅店 管理薬剤師 池本忠嘉】

日常、見ることのない世界というと、どんなところを思い浮かべるでしょうか。物を作っている現場?セレブのおうちの中?興味をそそられる、見たことのない世界、たくさんありそうです。私にとって、そんな世界は海の中の景色です。

今回は、スキューバダイビングの魅力についてお話したいと思います。

朝8時ごろ、眠い目をこすりながら港に集合。そこには豪華ではない船がある。船の上には酸素ボンベが整然と並べられていて、日に焼けた男女が元気よく挨拶を交わす。一人で来ていようと、グループで来ていようと関係ない。同じ海の中を目指す仲間、今まで潜ってきた海の話をするとすぐに打ち解ける。

その日のポイントを探りながら船が小一時間、波の上を走り、停止する。今日の一本目のポイントだ。船の上が、いそいそと賑やかになる。ボンベを背中にしょいこみ、水中マスクを装着。ボンベから空気が来ていることを確認して、海の中へザブンと入り込む。

重かったボンベの重さも浮力のおかげでなくなり、なんとも言えない浮遊感、開放感を身にまとい、海底の集合場所に向かう。先ほど同じ船に乗っていた仲間たちだ。しかし、海中にいる間は話すことができない。しかし、マスクの中の目をみると、皆、一様にこれから見る海中の世界への期待感と、既に見えている空気中とは違う景色に目が輝いている。

向こうから白い影が見える。もしや・・・ウミガメが空を飛ぶように泳いでくる。あ、イソギンチャクだ。イソギンチャクの影にはクマノミが隠れている。家族でいることが多いクマノミ。こっちを見てかわいいなぁと思うが、彼らは警戒心の塊である。家であるイソギンチャクに近づく我々を警戒して追い出そうとしているのだ。時にはマスクをつつきにくるヤツもいる。海の中はカラフルな魅力であふれている。

海域や深さ、ポイントによって見える景色、魚も変わる。面白い。

そして、夜の海。とても怖い。ライトが照らす光の外に目をやると、闇の世界である。しかし、光の中には、昼間見た世界とは全く異なる海の世界が見える。岩陰に隠れていたウニが砂場に出てきていたり、岩陰を見るとブダイが膜を張って寝ていたり。わざとライトを消して水中をかき回すと、夜光虫の光を見ることもできる。

そろそろ、ボンベの中の空気も少なくなってきた。陸上に戻る頃合だ。

船から出ているはしごを掴み、エイと体を持ち上げる。今まで忘れていた重力を一気に思い出させてくれる。戻ってきてしまったのだ。実は船の上に戻った後も、日常見ることのできない世界がひろがっていることがある。夜の海から上がってきた後に、空を見上げると、町の中では見ることのできないほどの星で埋め尽くされた夜空をみることができる。肉眼で天の川をみられることもある。陸上の重力に疲れた体が一気に回復する。

船の上から陸上に戻ったら、ビールや冷たい飲み物、そして甘いものをつまみながら、同じ船に乗った皆で、その日見た景色について話す。同じところに潜ったはずなのに、見えたものが違ったりもして、またすぐに潜りにいきたくなってしまったりもする。

そして、その余韻が日常の活力にもなっていく。また、非日常の世界に潜り込むための・・・