健康生活よもやま話

健康生活に関するお話を、
薬剤師・管理栄養士が紹介します。

食中毒について

 焼肉店でのユッケによる食中毒事件はまだ記憶に新しいと思います。
今回は食中毒の予防についてです。

●厚生労働省の細菌汚染の調査

 厚生労働省は、毎年流通食品の細菌汚染の実態を調査しています。平成22年度は7月1日から半年間この調査を実施しました。
調査対象には、野菜類や肉類や漬物。食中毒の原因なる細菌検査項目としては、大腸菌や腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、カンピロバクターの4項目でした。

●意外と細菌が検出された

 結果では、大腸菌が一番多く、野菜、食肉、漬物など合計2953件中1100件から検出されています。次に多かったのがサルモネラ属菌、カンピロバクターで、この両者は鶏のミンチ肉から多く検出されています。腸管出血性大腸菌のO157やO26などは数件でしたが、それでも検出されています。

●汚染が多かった品目

 品目毎に見てみると、大腸菌では野菜ではみつば、もやしで多く見つかり、食肉では牛たたきとローストビーフは低いものの他の生肉は高率で見つかっています。さらにサルモネラ属菌とカンピロバクターは鶏の肉に多く検出されています。
そして、腸管出血性大腸菌は牛や豚のミンチ肉やカットステーキ肉に約1%~2%程度見つかっています。

●かつての三大食中毒

 かつては腸炎ビブリオやブドウ球菌、サルモネラ属菌が三大食中毒でした。この背景にはタンパク質を魚介類で取っており、魚や貝類を食べる機会が多かったこともあるようです。ところが近年は魚から肉、乳製品、卵などをよく食べる傾向にあり、それに伴って食中毒の起因菌も前述の4項目にある細菌に変わってきているようです。

●増えてきているカンピロバクターと腸管出血性大腸菌のO157

 カンピロバクターは鶏や牛などの家畜の腸にいる細菌です。また、肝臓(レバー)にもいます。O157は牛の腸にいる細菌です。

●カンピロバクターに感染したときの症状

 下痢、腹痛、発熱が主な症状です。小児の場合は血便を伴うことも多いようです。

●腸管出血性大腸菌に感染したときの症状

 軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便を伴うものがあります。下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症などの重症合併症を発症することもあるようです。
激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。

●しっかり火を通して食べましょう

 今回調べた4項目の細菌は、火を通さずに食べると食中毒にかかってしまうことがあります。また抵抗力が弱い小さい子供や高齢者は、生で食べないようにしましょう。ミンチ肉などは肉の表面についた細菌が加工の過程で内部まで入り込んでいます。中心までしっかり火を通すことが大事になります。

●予防対策として

これら細菌性の食中毒の予防の基本は、

1.清潔 清潔な手指や調理器具、新鮮な材料
2.迅速 調理してから食べるまでの時間を短く
3.加熱又は冷却 十分な加熱、5℃以下の冷蔵など

などです。

調理器具で汚染がひどいのが、まな板や木製の器具のようですので、こちらはきれいに洗ったり、消毒が必要になります。
細菌は時間とともに分裂を繰り返し数が増えます。調理後は早めに食べた方が細菌数が少なく、食中毒になりにくいと言えます。

●食中毒予防のポイントは6つです。

ポイント 1 食品の購入
ポイント 2 家庭での保存
ポイント 3 下準備
ポイント 4 調理
ポイント 5 食事
ポイント 6 残った食品

詳細は、下記のサイトをご覧下さい。

腸管出血性大腸菌Q&A(厚生労働省)
http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html#q6

                 薬剤師:高橋 寛