2026.10.06 健康生活よもやま話

家庭で防ぐ食中毒<食品の購入と保存で気をつけたいポイント>

[執筆者]

銀河薬局穴口店 薬局長 小泉 友輝

食中毒は、飲食店での食事が原因と思われがちですが、家庭での毎日の食事でも発生します。家庭で起きた場合は、症状が軽かったり発症者が少なかったりするため、風邪や寝冷えと勘違いされ、食中毒に気づかないまま重症化することもあります。

食中毒は、原因となる細菌などが付着した食品を口にすることで発生します。予防の基本は、食中毒菌を食品に「付けない」、付着した菌を「増やさない」、食品や調理器具に付着した菌を「やっつける」の3つです。
食中毒予防というと、加熱して食中毒菌を「やっつける」ことを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、加熱だけで十分に予防できるとは限りません。菌を食品に「付けない」こと、付着した菌を「増やさない」ことも、食中毒を防ぐための大切なポイントです。今回は、「付けない」「増やさない」ために、食品を購入するときと、購入した食品や残った料理を家庭で保存するときの注意点を紹介します。

【食品を購入するとき】
生鮮食品や冷凍食品は買い物の最後に選び、消費期限や保存方法を確認します。
肉や魚は、汁がほかの食品に付かないよう、それぞれ別の袋に入れ、そのまま食べる総菜や野菜と分けて持ち帰ってください。
暑い日や帰宅までに時間がかかるときは、保冷バッグと保冷剤や氷を活用し、食品の温度が上がらないようにしましょう。購入後は、できるだけ早く帰宅できるといいですね。

【家庭で保存するとき】
帰宅したら、冷蔵・冷凍が必要な食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫へ入れ、室温に置く時間をできるだけ短くしてください。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保ちます。冷蔵庫は詰め込みすぎず、収納量を全体の7割程度にすると、冷気が循環しやすくなります。扉の開閉は短時間で済ませてください。肉や魚は、汁が漏れないよう袋や密閉容器に入れ、ほかの食品に触れないよう、冷蔵庫の下段に保存しましょう。

【残った食品を保存するとき】
残った食品を扱う前は、石けんで手を洗い、清潔な器具で取り分けましょう。清潔な浅い容器に小分けし、できるだけ早く冷ましてから冷蔵庫へ入れます。食べる分だけを取り出し、残りを何度も室温に出さないようにしましょう。温め直すときは、中心部が75℃以上になることを目安に、全体を十分に加熱してください。スープや煮物は、よくかき混ぜながら沸騰するまで加熱します。時間がたちすぎたものや、におい・色・状態に少しでも異常があるものは、味見をせずに捨ててください。

夏に比べて気温や湿度が下がってきて過ごしやすい秋ですが、過去の統計からは夏と同程度の食中毒が発生する可能性があることがわかっています。家庭でもこれらのポイントに気をつけて、これから旬を迎える秋の味覚を存分に楽しんでください。

参考資料
厚生労働省HP  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/
画像 イラストAC