寒さが増してきて温かいものが嬉しい季節ですね。最近は日本でもコーヒーがよく飲まれてその効能も研究されていますが、昔から飲まれている日本茶にも優れた効能があります。
○主な日本茶の種類と特徴
緑茶は日本茶全般の総称で、栽培方法や摘採時期、製造工程などの違いによって以下のようなさまざまな種類のお茶になります。
煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、抹茶、玉緑茶、茎茶、玄米茶、ほうじ茶、番茶など
○普段よく飲まれているお茶とその特徴をあげます。
煎茶:程よい甘みとほろりとした渋みがあります。タンニンが最も多く含まれます。
玉露:直射日光を避けて育てており、渋みの少ない独特な甘みがあります。旨み成分のテアニンを多く含みます。
番茶:硬い葉や茎を使用し、さっぱりとした味と香りがあります。タンニンやカフェインは少なめです。
ほうじ茶:番茶や煎茶を強火で煎っており、香ばしい香りとさっぱりした口当たりです。タンニンやカフェインは少なめです。
玄米茶:煎茶や番茶に炒った玄米をほぼ同量の割合で加えており、玄米の香りとさっぱりした口当たりです。タンニンやカフェインは少なめです。
○日本茶の成分と主な効能
★タンニン(渋み成分):殺菌作用、虫歯予防、抗アレルギー作用など
★カフェイン(苦味成分):覚醒作用、利尿作用など
★テアニン(旨み成分):リラックス作用(α波出現)
★ビタミン類(A、C、Eなど):夜間視力維持、抗酸化作用、皮膚や粘膜の健康維持など
○カテキンについて
カテキンはお茶のタンニンに含まれるポリフェノールの一種で、お茶に特有の苦味や渋味のもととなります。強い抗酸化作用をもち、赤ワインやココアが言われているように多くの効果が期待されています。その抗酸化作用はビタミンEの10倍と言われていて、抗がん作用、殺菌作用や虫歯予防、抗アレルギー作用の他、生活習慣病予防にも関連する血圧や血糖を抑える効果や体脂肪を低下させる効き目があると言われています。
○おいしい煎茶の入れ方
煎茶は湯の温度によって甘みや渋みのバランスが変わり、さまざまな味が楽しめます。上級煎茶は旨み成分のテアニンを豊富に含むため、渋味を抑えてうま味を充分に引き出すよう低温でいれます。また、普通煎茶は上級煎茶に比べ、テアニンが少なめで渋味成分のカテキンを多く含むため、熱めのお湯で香りと適度な渋味を引き出します。
1 茶葉を急須に入れる(一人分約2g、ティースプーン1杯)
2 沸騰させたお湯を一度湯のみに移す(お湯の温度約80℃)。
普通煎茶の場合は、直接急須へ注ぐ(お湯の温度 沸騰~約90℃)。
3 湯冷ましした湯を急須に注ぎ、約30秒待つ。
4 少しずつ均等に注ぎ分け、最後の一滴まで絞りきると2煎、3煎まで美味しいです。
お茶を入れる時間を楽しむのもリラックス効果があります。
昔ながらの『こたつに入って緑茶とみかん』が、冬を元気に乗り切る知恵かも
しれません。
参考文献・サイト
サプリメント・機能性食品事典 吉川敏一、炭田康史 編集 講談社
日本カテキン学会http://www.catechin-society.com/index.html
お茶の福本園http://www.fukumotoen.co.jp/home.htm
お茶百科http://www.ocha.tv/components_and_health/benefits_greentea/