ジメジメとした過ごしにくい時期がやってきました。気温や湿度の高いこの時期は細菌の繁殖が活発になり、食中毒に注意が必要です。昨年、さのハチだより(15号)でも食中毒について特集しましたが、今回は食中毒の予防におすすめの食材についてご紹介します。
<抗菌作用に優れた酢>
食中毒を防止するには菌を「つけない」「増やさない」「殺す」ことが大切といわれていますが、お酢には病原性大腸菌O157や腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などの主要食中毒原因菌に対する抗菌効果が確認されており、毎日の生活に上手に取り入れることで、菌を「増やさない」ことができます。食品がいたみ易いこの時期、酢漬けや酢じめ、酢洗いなど、料理の中に、または調理にお酢を料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、お酢の主成分である酢酸には唾液や胃液の分泌を促進し、消化酵素の働きを活性化させる働きがあり、さらに酢に含まれるクエン酸には疲労回復の効果も期待できるため、体力が落ちがちな梅雨や夏を乗り切るにはぴったりです。
<菌の力で食中毒に負けない体づくり>
食中毒の原因菌から身を守るために、体の免疫力を高めましょう。免疫力を高めるには腸内環境を整え、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内の善玉菌を増やし、体内に入ってきた原因菌に悪さをさせないように働きかけることが大切です。
腸内の善玉菌の割合を増やす方法は、大きく分けて二通りあります。
①乳酸菌や納豆菌を含む食品を摂る
ヨーグルトやチーズなどの動物性乳酸菌は、腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境の改善に役立ちます。ぬか漬けやキムチといった漬物などの植物性乳酸菌は自ら善玉菌となって働きます。
また、納豆菌は生きたまま腸に届き、大腸全体に広がって長期間ガードします。さらに納豆菌は乳酸菌などの善玉菌を増やし、サポートしてくれるので乳酸菌食品と合わせて摂ると効果的です。これらの食品は特に継続して腸内に補充することが大切なので、毎日続けて摂るのがオススメです。
②食物繊維やオリゴ糖を摂る
これらの成分は野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内の善玉菌の栄養源となって増殖を促します。オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれていますので、これらの食材を食事に取り入れましょう。
細菌が混入した食品を食べても、すぐに食中毒を起こすわけではありません。私たちの体には唾液、胃液、腸内細菌など食中毒菌を撃退する機能が備わっています。特に体力が充実し、免疫力が高い人ほど食中毒にかかりにくいといわれています。
日ごろから食中毒の予防と同時に、もしかかっても重症化しないよう食事や睡眠をきちんととり、体の防御機能を最大限に発揮できるように心がけることが大切です。
最後に、食物繊維が豊富でオリゴ糖を含むバナナ、ビタミンやミネラルを含む小松菜を使ったヨーグルトスムージーのレシピをご紹介します。
バナナ+小松菜のヨーグルトスムージー
材料(1人分)
バナナ 100g
小松菜 30g
低脂肪ヨーグルト 100g
作り方
① バナナは皮をむいて2cm幅に切る。小松菜は2cm長さに切る。
② ①と低脂肪ヨーグルトをなめらかになるまでミキサーにかける。
参考資料
厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food
ミツカン http://www.mizkan.co.jp/index.html
腸スッキリ菌活レシピ 成美堂出版