2016.12.20 健康生活よもやま話

しょうがでポカポカ、冬対策

[執筆者]

銀河薬局本店 管理栄養士 本堂 詩織

からだの芯から冷え込む季節になりました。「冷えは万病のもと」とも言われ、からだを冷やさないことは健康でいるためにとても大切なことです。特に女性の方は季節に関わらず、冷え症に悩む方も多いと思います。からだを温めるのに最適な食材が「しょうが」。しょうがは昔から万病に効くとされ、漢方にもたくさんの種類に使われています。からだを温める以外にも、しょうがには健康に良いとされる効果がたくさんありますのでご紹介します。

・からだを温める効果

しょうがには、体温をあげる働きがあるのはご存じの方も多いと思いますが、しょうがの温め効果をさらにアップさせるために注目されているのが、乾燥しょうがです。乾燥しょうがは「ウルトラしょうが」とも呼ばれ、生のしょうがは手足などの末端を温めるのに対し、乾燥しょうがは内臓から温めることができるため、温め力がグンとアップします。からだ全体を温めてくれる優れものです。これはしょうがのジンゲロールという成分が、乾燥させることでショウガオールという成分に変わるためで、ショウガオールの働きで、よりからだの深部から温めることができます。からだの芯からポカポカになるため、温め効果もより持続します。

<ウルトラしょうがの作り方>

生のしょうがを皮付きのまま薄切りにして、天日で1日乾燥させる。

乾いたら密閉袋に入れて保存。

・血行を良くし、新陳代謝を促す効果

ジンゲロンという成分が血液の循環を良くしてくれるので、内臓の働きが活発になったり、肩こりなどの症状を改善したり、血液をサラサラにして血栓ができるのを予防したりとからだに良い影響をもたらします。また、しょうがには発汗作用があり、新陳代謝を促進します。体温や水分バランスを整えるほか、新陳代謝がアップすることで美肌効果もあり、アンチエイジングにも良いとされています。

・免疫力を高める効果

体温を上昇させることで、白血球の働きを活発にし、免疫力を高めます。また、しょうがの辛み成分であるジンゲロールは白血球の数を増やすとも言われています。

・殺菌効果

ジンゲロンやショウガオールに優れた殺菌力があり、食中毒予防にも効果的です。お寿司にガリがついているのもそのためといわれています。

他にも、しょうがには風邪の症状を緩和する効果、コレステロール値や血圧を低下させる効果、吐き気を抑える効果など、さまざまな健康効果が期待できます。特に冷え込むこの季節は、お料理に意識して取り入れて、おいしくからだを温めましょう。一度に大量に食べると胃を荒らしてしまうこともあるので注意しましょう。

最後に、ウルトラしょうがを使ったレシピを紹介します。体内で熱を作るために重要な、たんぱく質をたっぷり使っています。たんぱく質は普段の食事でも不足しないようしっかり摂りましょう。

◎たんぱく質たっぷり和風生姜スープ

<材料>3~4人分

ウルトラしょうが …5g

かぼちゃ …200g

鶏ささみ …80g

三つ葉 …適量

しょうゆ …大さじ2

塩 …小さじ1

酒 …50ml

みりん …大さじ2

片栗粉 …大さじ2

だし …800ml

<作り方>

①     ウルトラしょうがを細かく刻み、かぼちゃは一口大の角切りにする。

②     鍋に、だし、しょうが、酒、塩を入れて火にかけ、沸騰したら鶏ささみを入れて火を止め、余熱で火を通す。火が通ったら、鶏ささみを鍋から取り出す。

③     鍋にかぼちゃを入れて加熱する。

④     かぼちゃがやわらかくなったら鶏ささみをほぐして入れる。

⑤     火が通ったら、しょうゆ、みりんで味付けをし、片栗粉を水に溶いて入れ、とろみをつける。

⑥     三つ葉をのせて完成。

参考:武田薬品工業株式会社 タケダ健康サイト:

http://takeda-kenko.jp/kenkolife/encyclopedia/illustrated/syoukyou_kankyou.html

ガッテン!vol.32秋号 主婦と生活社出版

画像:http://www.irasutoya.com/