一般的にお薬は、医師や薬剤師から説明があり「毎食前に1錠」「朝食後に2錠」「1日2回まで」などと、飲む量とタイミングが決められています。ところが、サプリメントのパッケージには「1日1~4粒を目安に」といった、おおまかな記載があるだけで、特に飲む時間までは指定されていません。
しかし、特定の食品を摂取する際に言われている「朝の果物は金」「寝る前のホットミルクで安眠」などのように、サプリメントも同様に種類によって効果的なタイミングがあるのです。
サプリメントは大きく分けるとベースサプリメント(マルチビタミン・マルチミネラル)と機能性サプリメント(コエンザイムQ10、DHAなど)に分類されます。今回はベースサプリメントの摂取における効果的なタイミングをご紹介します。
「ビタミン」
ビタミンは水溶性のものと脂溶性のものに分けられます。
・脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあります。
これらは脂に溶けやすい性質があり、脂溶性ビタミンとも呼ばれております。体内に蓄積されやすく体外に排出されにくくなっています。
(ビタミンEは脂溶性ですが比較的早く排出されます)
食間や空腹時に摂取すると吸収率が低下するので食事中や食後すぐの摂取が最適です。
特に脂分が多い食材と一緒に摂ると吸収率が高まります。
・水溶性ビタミン
ビタミンB群(8種)、ビタミンC
ビタミンB群とビタミンCは水に溶けやすい性質があり水溶性ビタミンとも呼ばれています。体に蓄積される量は少なく、余剰分は数時間~1日程で体外に排出されます。
早く体外に排出されるため1日2~3回に分けて食後に摂取するのが効果的です。
また、ビタミンCを摂る場合は、飲む時間を就寝前にするのが最適です。
これは、起きているときに比べて、就寝中では約20%程度吸収率が高くなるからです。
「ミネラル」
ミネラルは体内で合成できないため、体の健康を維持するためには食物からとる必要があります。
・カルシウム・マグネシウム
アルカリ性なので食後に飲むと胃酸を中和してしまい、消化不良などが起きやすくなる可能性があります。
マグネシウムの体内濃度は早朝と午後3~5時ころに低下する傾向があるため、サプリメントとして摂る場合は、朝食前、午後3時や就寝前などに摂取するのが効果的で、食後2~3時間は避ける方が良いと言われています。
「アミノ酸」(タンパク質)
アミノ酸は、身体や筋肉をつくる主成分であり、筋肉中でエネルギーとして使われます。
食前30分か、食後2~3時間または就寝前の空腹時が良いとされています。
食事中に摂ると、食物に含まれるたんぱく質が優先的に消化・吸収されるため、アミノ酸が利用されにくくなってしまいます。
私たちの健康増進や、病気を治すために必要な成分は、自然の食物の中から自然な形で取り入れることが一番です。しかし、偏った食事内容ではバランスよく必要な成分を摂取することができません。そのため普段摂っている食事の中で足りないものをサプリメントで補う必要が出てきます。
頼りすぎるのは良くないですが、特性を理解して上手に取り入れ、健康な体作りを目指しましょう。
参考
役立つ薬の情報:http://kusuri-jouhou.com/supplement/vitamin.html
マルタケ薬事室