2017.03.27 健康生活よもやま話

春をおいしく、旬の山菜

[執筆者]

佐野薬局中央店 管理栄養士 菊地 楓

雪が降る日も次第に少なくなり、真っ白だった地面から茶色い土がのぞくようになりました。春は土の中に眠っていた草花が次々に顔を出す楽しい季節です。

春になると、季節限定の食材を求めに、野や山へと繰り出す方も多いのではないでしょうか。たくさんの種類の山菜が、今旬を迎えています。厳しい冬を乗り越え芽を出す山菜は、独特の苦みが、私たちの体を冬から目覚めさせてくれます。

山菜の苦み成分は、体にどのような影響を与えてくれるのでしょうか。また、そのほかの栄養素についても山菜ごとにまとめてみました。

○わらび

わらびはビタミンEを含んでいます。ビタミンEには活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立っていると考えられています。また、わらびのあくは毒性が強いため、あく抜きをしっかりと行いましょう。

○ふきのとう

ふきのとうの苦み成分には、アルカノイドとケンフェールがあります。アルカノイドは肝機能を強化し、新陳代謝を促進します。また、ケンフェールは活性酸素などの発ガン物質を抑制する効果があります。

○たけのこ

グルタミン酸やチロシン、アスパラギン酸などのうまみ成分、アミノ酸が含まれています。ゆでた時にでるチロシン(白い粒状のもの)には害はありません。この成分は疲れをとる働きもあります。また、カリウムが豊富でナトリウムを排泄し高血圧を予防してくれます。

○こごみ

綺麗なグリーンにはβカロテンが沢山含まれており、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に、また、皮膚や粘膜の細胞を正常に働かせて免疫力を高める効果があります。抗酸化作用の強いビタミンEも沢山含んでいます。

他にも、山菜は食物繊維を豊富にふくんでいるため、便秘や大腸がんなどの予防に効果があります。最近では野山に行かなくても、スーパーや直売などで気軽に手に入れることが出来ます。今はハウス栽培などが発達し、あらゆる野菜を年中食べることが出来ますが、山菜は旬の時期を逃すとなかなか手に入らないこともあります。食卓から春を取り入れ、眠っていた体を目覚めさせましょう。

こごみの七味マヨネーズ

材料(4人分)

こごみ 手で4つかみ

塩 適量

七味 適量

マヨネーズ 大1

①  こごみは洗って、等間隔に切る。

②  鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩を加えてこごみを茹でる。(3~5分)

③  茹でたこごみを冷水に取ってから、水けをきる。

④  マヨネーズ、七味と混ぜ皿に盛りつけ完成。

参考

旬の食材百科:http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/index.htm

画像「花さかりの森」:http://forest17.com/