2018.05.16 健康生活よもやま話

ブルーライトについて

[執筆者]

佐野薬局八橋大畑店 管理薬剤師 工藤 惟志

皆さんはブルーライトがどんな光かご存知でしょうか。ブルーライトカットメガネなど耳にしたことがあるかと思いますが、ブルーライトってどんなもの?という方も多いと思います。そこで今回はブルーライトの健康への影響や対策などご紹介します。

○ブルーライトとは

ブルーライトはその名の通り青色の光のことをいいます。光は波長によって紫外線、可視光線、赤外線などに分類されていますが、ブルーライトはその中の紫外線の波長域に近い可視光線に含まれます。

ブルーライトは他の光と同じように太陽から発せられて、日没後は少なくなっていきます。そのため、日の出とともに起きて夜は眠るという体内時計の調節に関係しています。

また、私たちが目に見える光(可視光線)の中ではエネルギーが最も強い光になります。

○ブルーライトによる影響

・睡眠障害

近年、ブルーライトを使ったLED照明機器や液晶画面、スマートフォンなど電子機器の普及に伴い、身近な場所でブルーライトをたくさん浴びるようになりました。元々は浴びることのなかった夕方や夜の時間帯にもブルーライトを浴びることで、睡眠に関するトラブルが問題になっています。

私たちの目がブルーライトを認識すると、脳内において眠気を導く「メラトニン」というホルモンの産生量が減少します。そのため、夜間にスマートフォン等の使用でブルーライトを浴びるとメラトニンの産生量が減少し、私たちの体が徐々に睡眠へと向かう過程を妨げる原因になってしまいます。

メラトニンの分泌には加齢の影響や個人差がありますが、寝つけない、よく眠れない、途中で目が覚める、ぐっすり眠れないなど睡眠の質の低下は、ブルーライトによる体内リズムの乱れが原因の一つと考えられます。

・眼精疲労

ブルーライトは波長が短いため光が散乱しやすいという性質があり、それが眩しさや像のにじみにつながります。そのため目のピント調節機能に負担がかかり、眼精疲労につながります。

・その他

ブルーライトによる体内リズムの乱れにより肥満や生活習慣病などの発症に影響するという報告もあります。

ブルーライトは悪影響だけが注目されがちですが、毎朝、目が覚めて太陽の光や部屋の明かりに含まれるブルーライトを浴びることは、体内時計をリセットし、脳と体を活動状態に向けて活性化させる上で重要です。

○対策、対処法

・朝と昼はブルーライトを含む光をしっかり浴び、夜はブルーライトを避ける

・寝る3〜4時間前から照明を暗くするのが理想的

・パソコンやスマートフォンを夜間に使用する時は、ブルーライトをカットする設定を使う

・パソコンやスマートフォンの使用を最小限にする。1時間の作業につき15分休憩をする

・ブルーライトをカットするフィルムやメガネを使う

・LED照明が白過ぎる時は光を調整する

参考資料

参天製薬 LED・ブルーライトについて https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/

タケダ健康サイトhttp://takeda-kenko.jp/

画像:http://www.irasutoya.com/