植物由来の精油(エッセンシャルオイル)の香りにはいろいろな効用と楽しみ方があり、アロマテラピーには、芳香浴、アロマバス、吸入、湿布、ルームスプレー、アロマトリートメントなどの方法があります。
*芳香浴ではオイルウォーマー、ディフューザーを使用して空気中に精油の香りを拡散させます。電球の熱で精油を温めるアロマライトはフットライトに用いてもよいでしょう。
*気化による吸入ではハンカチ、ティッシュに精油を含ませる直接吸入や、洗面器、マグカップ等に精油を2~3滴垂らし行う蒸気吸入があります。この時は蒸気を逃さないようタオルをかぶり、目を閉じて大きく息をして鼻、口から吸入するようにします。風邪の時期にはティートリー、ユーカリなどが呼吸器系に効果があります。
*アロマバスには全身浴、ハンドバス、フットバスなどがあります。
・全身浴では湯船に精油を5.6滴垂らしよくかき混ぜて入りますが、その際は天然塩、キャリアオイルなどに薄めて使用しましょう。安眠効果、不安を解消するラベンダーやカモミールがいいでしょう。(キャリアオイル:精油を薄めるための植物油)
・肩こり、しもやけなど手荒れのケアのハンドバスは大きめの洗面器に40度位のお湯に精油を2.3滴垂らしてよくかき混ぜ、5~10分位手首までいれます。
肩こりに効果的な温湿布は洗面器に熱いお湯を入れ、精油を1~2滴たらしタオルを浸し、しぼって患部にあてます。その上からラップなどで覆うと効果的です。
ローズマリーの温湿布は肩こり、筋肉痛に効果があります。
・フットバスはバケツ、たらいにハンドバスより温かめ(40度~42度位)のお湯を入れて、
精油を3~4滴たらしよくかき混ぜます。10~20分位、ふくらはぎの下くらいまでつけます。
グレープフルーツは利尿作用があり、立ち仕事などの浮腫みとりに使用するとよいでしょう。
*精油の効能を利用してルームスプレー等にも活用できます。
精油20滴に無水エタノール(小さじ1)に混ぜて精製水を50mlいれてスプレーを作ります。レモングラスは消臭、虫よけに使用されます。
ご自宅で余った保冷剤を室温に戻しゲル状の中身を取り出して容器に入れ、それに精油を2~3滴垂らし室内の消臭、芳香に使用してもよいでしょう。(「吸水性ポリマー」または「高吸水性樹脂」と記載の保冷剤を使用する。排水溝に流さない事。子供の誤飲に注意)
*アロマトリートメントは自分の体調に合わせて精油を選び、トリートメント(体に塗布してマッサージ)することで心が落ち着き、緊張がほぐれ、血液、リンパの流れが良くなり、消化管の機能を高めたり、免疫機能を高めることがわかってきました。医療現場でも使用されています。ご自身で行うリラクゼーション目的であれば、1%の濃度(キャリアオイル20mlに精油4滴)でトリートメントを行うのがよいでしょう。アロマセラピーの効果を心身ともに体感できる方法です。
★それでは体調にあった精油の種類はどうでしょうか。例をあげてみます。
・体調は悪くないのになんとなく食欲がない方
オレンジ、レモンなどの柑橘系の香りは食欲を増進させてくれます。
食前にこれらの精油を使って芳香浴してはどうでしょう?
みかんの皮は胃腸の働きをよくする効能があるので漢方薬に含まれています。
ストレスからくる食欲不振、気分もすっきりさせてくれます。
・気分がすぐれず心のバランスを崩している方
ゼラニウムはホルモン様作用があるため、女性の更年期症状、月経前症候群の症状緩和に一役かってくれそうです。
イライラ症状を落ち着かせ、リラックスさせ元気にしてくれます。(妊婦さんは使えません)
ハンカチ、コットン、ティッシュに精油を垂らし胸ポケットにしのばせておくのもいいかも・・
他にもたくさんの精油があります。アロマテラピーでは100%天然の精油を使用するようにしましょう。合成のフレグランスオイル、ポプリオイルなどはアロマテラピーの精油としては使えないので使用方法を間違えないようにしましょう。皆さんもご自分の体調に合わせた精油、好きな精油を選んで日常生活にアロマテラピーを取り入れ、健康や美容に役立ててみてはいかがでしょうか。
くれぐれも精油は、「直接肌につけない」、「飲まない、」「赤ちゃんに使用しない」を守り、さらにアレルギーに充分注意して安全に使用しましょう。
参考
エッセンシャルオイル図鑑
アロマセラピーバイブル
日本統合医学協会HP