2019.06.28 健康生活よもやま話

光の効用

[執筆者]

佐野薬局中央店 管理薬剤師 栗山 眞太郎

光の明るさは「照度」で表されます。電気の単位としてワットやボルトという言葉は良く聞きますが、照度はルクスで表します。1ルクスがいったいどのくらいの明るさなのかはなかなか実感がわかないと思います。目安としては、60ワットの白熱電球から30センチ離れたところの明るさは500ルクスと言われています。映画館で鑑賞中の客席が1から2ルクス、満月の夜道は0.2ルクス。そして、青空の太陽のもとでは10万ルクスになると言われています。ちなみに学校の教室では300ルクス以上必要で500ルクス以上が望ましいとされています。

なにげなく見ている光ですが、ご家庭での生活や健康へ影響のある場合もあります。テレビを見ていると、「フラッシュの点滅にご注意下さい」「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てください」というテロップが流れることがあります。これは連続した強い光の点滅等の光の刺激により吐き気やめまいがしたり、頭痛などの症状がでる「光過敏性発作」を起こさないようにするためです。画面と周囲の明るさの差は無いほうが体にはやさしいということです。

光の大切なところは、体のリズムを整える体内時計をリセットすることです。朝日や部屋のカーテンを開けて2500ルクス以上の強い光を浴びることでこの効果がでて、だいたい16時間後に眠たくなるといわれています。この働きは、体の中のメラトニンというホルモンが調節していますが、500ルクス以上の光や青白い光により分泌されにくくなるといわれています。良い睡眠にするためには暗い部屋か、暖色系の照明でさらに間接照明にすると良いでしょう。スッキリとした目覚めはスムーズな1日の活動につながります。日光や照明を上手に取り入れて快適に過ごしていただきたいと思います。

参考

産総研HP:https://www.aist.go.jp/
武田薬品工業株式会社HP:https://www.takedamed.com/
画像:https://publicdomainq.net/