2025.07.04 健康生活よもやま話

知って選ぶ、夏のアイス

[執筆者]

追分佐野薬局 管理栄養士 亀山 茜

気温が高くなると、冷たいアイスが食べたくなりますよね。暑い季節に欠かせないアイスは、乳成分の量によって大きく4種類に分類されます。さらに、トランス脂肪酸を多く含む植物油脂の添加の有無も、種類ごとに異なります。(※トランス脂肪酸を摂り過ぎると、LDLコレステロールや中性脂肪の増加につながると言われています。)それぞれの成分や味わいなどの特徴を知って、選ぶ時の参考にしてみてくださいね。

1.アイスクリーム(乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上)
乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれており、ミルク本来の風味や濃厚な味わいが特徴です。素材にこだわった商品が多く、他の種類と比べて価格が高めのものが多いです。なお、植物油脂の添加は認められていません。

2.アイスミルク(乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上)
アイスクリームより乳成分はやや少なめですが、牛乳と同程度の乳成分が含まれています。商品によっては植物油脂が使われていることもあります。味わいはアイスクリームよりもあっさりしているのが特徴です。

3.ラクトアイス(乳固形分3.0%以上)
乳脂肪分の規定はなく、植物油脂が多く使用されていることがあります。これは、ミルク感を補い、滑らかな口当たりを出すためです。そのため乳脂肪分は少なくても、植物油脂によりエネルギー(カロリー)が高めになる商品もあります。価格は比較的リーズナブルなものが多いです。

4.氷菓(上記以外のもの、乳固形分3.0%未満)
果汁などを凍らせたアイスキャンディーやシャーベット、かき氷などがこの分類です。乳成分はほとんど含まれていないため、脂質を控えたい方は氷菓のアイスを選ぶことをおすすめします。

冷たくて美味しいアイスですが、気になるのはやはり糖分の量ですよね。砂糖の甘さは体温に近い35℃前後で最も強く感じられ、体温から離れるにしたがって甘みを感じにくくなります。溶けたアイスは冷たいときよりも甘く感じますよね。そのため、冷たいアイスはしっかりと甘みを感じられるよう、糖分が多めに調整されていることが多いのです。糖質を気にする方は実際に含まれる糖分が「感じる甘さ以上」に多いことに注意が必要です。最近では、甘味料を工夫して糖質を抑えた「低糖質アイス」も増えているので、そういった選択肢を取り入れるのも良いですね。

暑さでつい衝動的に手が伸びてしまうアイスですが、パッケージや栄養成分表示をチェックする習慣をつけていきましょう。自分に合ったアイスを選んで、美味しく涼しく夏を乗り切りましょう!

《砂糖不使用・低脂質のおすすめアイスレシピ》
豆腐とバナナのヘルシーチョコアイス
◯材料(2人分)
絹豆腐       150g(3個パックのもの1個分)
バナナ       中2本(皮含めて1本110〜130g)
ピュアココア    大さじ2
はちみつ      大さじ2
冷凍ミックスベリー スプーン2杯分

◯作り方
①チャック付きポリ袋にバナナを入れ、袋の上から手でつぶしてペースト状にする。
②①の袋に豆腐、ピュアココア、はちみつを加え、よく揉み込んで混ぜる。
③袋の中の材料が平らになるように整える。
④冷凍庫で凍らせる。
⑤器にチョコアイスを盛り、ミックスベリーを添えて完成。
★少し溶けてやわらかくなってきた頃が一番美味しいので、冷凍庫から出したら少し置いてから食べるのがおすすめです!

参考文献:一般社団法人 日本乳業協会:https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_025_447/