2025.09.10 健康生活よもやま話

“なんとなく不調”を見逃さない、季節の変わり目のセルフチェック

[執筆者]

佐野薬局五城目店 薬局長 菅原佑里

歴史的な猛暑となった夏がようやく過ぎ去り、秋の気配を感じる季節となりました。
まだ日差しが強い日もありますが、朝晩の空気に少しずつ季節の変わり目を感じます。
こんな時期に、患者さんからよく聞くのが
「なんとなくだるい」
「疲れが抜けない」
「寝てもすっきりしない」
という“はっきりしない体調不良”です。病院に行くほどではないけれど、どこか不調。この“なんとなく不調”には、自律神経の乱れが関係していることがあります。

○季節の変わり目は、自律神経の切り替えがうまくいかない

私たちの体には、体温・血圧・呼吸・内臓の働きを自動でコントロールしてくれている自律神経というシステムがあります。
通常は「活動モード」の交感神経と、「休息モード」の副交感神経がバランスよく働くことで、心身が整っている状態が保たれています。
しかし、睡眠不足、過労、ストレスなどが続くと、このスイッチの切り替えがうまくいかなくなり、「なんとなく不調」につながってしまうのです。
さらに、季節の変わり目には気圧や気温の変化が大きく、自律神経が不安定になることで、体内の環境を一定に保つ力が弱くなり様々な心身の不調を引き起こしやすくなります。

○自律神経のセルフチェックと整え方
「最近なんとなく調子が出ないな…」と感じたら、こんなことをチェックしてみてください。

□ 朝起きたとき、疲れがしっかり取れていない
□ 夜なかなか寝つけない、または途中で目が覚める
□ いつもよりイライラしやすい、気分が落ち込みやすい
□ 胃腸の不調(便秘・下痢・胃もたれ・食欲不振)がある
□ 腰痛・肩こり・手足の冷えが気になる
□ 天気や気圧の変化に体調が左右されやすい
□ 緊張しやすく、ストレスを受けやすい   …etc

何項目か当てはまっていれば、自律神経が乱れているサインかもしれません。

では、どうすれば整えられるのでしょうか?
以下のような小さな工夫で、少しずつリズムを取り戻すことができます。

・朝日を浴びる(起床後15分以内が理想)
・ぬるめのお湯での入浴(40℃以下で15分程度)
・白湯や温かい飲み物で内臓から温める
・好きな香り(アロマやお香)でリラックス
・軽い散歩やストレッチを取り入れる
・食事は1日3回、同じ位の時間帯でとるようにする
・寝る3時間前には夕食を終わらせることを意識する

どれも特別なものではありませんが、毎日の中に「自分を整える時間」を少しでも入れてあげることが、心とからだのメンテナンスにつながります。

○体の声に気づくことが、最初のケア

毎日忙しい中を過ごしていると、「調子が悪いけどまあいいか」「寝れば治るかな」と、自分の不調を後回しにしがちです。
忙しい毎日だからこそ、その声に少しだけでも耳を傾けて、自分の体をいたわる時間をつくってあげてください。
それ以外にもご自身の体調で気になることがあれば、ぜひ、お近くの薬局で薬剤師にご相談してみて下さい。

参考・引用サイト一覧
くすりと健康の情報局 by第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/autonomicnerves-01/
大正健康ナビ https://www.taisho-kenko.com/column/113/
サワイ健康推進課 https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201804-02.html
一般財団法人日本予防医学協会HP
https://www.jpm1960.org/kawara/web202411_how-to-regulate-the-autonomic-nervous-system.html
画像:canva、chatgptにて作成