2014.12.16 健康生活よもやま話

「インフルエンザの流行開始!」

[執筆者]

佐野薬局中通一丁目店管理薬剤師 堀野 玄

インフルエンザ流行について

日本でのインフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬に始まり、翌年の1~3月頃に増加し、4~5月にかけて減少していくパターンを示しますが、夏季にも発生することもあります。流行の程度とピークの時期はその年によって異なります。

インフルエンザの型は?

インフルエンザには、A、B、Cの3型がありますが、C型は軽いかぜ様症状のみで、流行的な広がりを起こすのはA型とB型です。

治療法と特徴については?

抗インフルエンザ薬といわれるお薬は、ウイルスの増殖を抑えるお薬になります。インフルエンザウイルスは、お薬で直接攻撃することができないため、自己免疫が排除してくれるのを待つしかありません。

A型とB型ウイルス表面には*赤血球凝集素(HA)と**ノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白がそれぞれ数種類あり、様々な組み合わせをもっています。現在使われているインフルエンザを治療するお薬の中心は、このノイラミニダーゼを阻害する作用をもっていて、吸入やカプセル、ドライシロップ、点滴などがあります。

*赤血球凝集素…感染の最初のステップを担う

**ノイラミニダーゼ…ウイルス感染細胞から次の細胞への感染拡大を担う

治療は原則発症48時間以内とされていますが、重症化のリスクが高く、症状が長引くなどの可能性があれば48時間以上過ぎていても医師の判断で抗インフルエンザ薬を使うことがあります。ご高齢の方や持病をお持ちの方、免疫機能が低下された方などは注意が必要です。しかし、多くは自然に良くなる疾患で、抗インフルエンザ薬を必ず使う必要があるわけではありません。

潜伏期間は?

潜伏期間は1~3日間ほどといわれています。発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛・関節痛などが現れ、咳、鼻汁などの症状がこれに続き、約1週間で良くなるのが典型的なインフルエンザです。

どのくらい休めばいいの?

学校保健安全法において、発症後5日を過ぎて、さらに、解熱した後2日(幼児では3日)を過ぎるまではお休みするようにいわれていますので、罹ってしまった際は、十分に休息を確保するようにしてください。

予防法は?

予防法としては基本的な事項として、流行期に人混みを避けること、マスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いをすることです。ワクチンも有効な手段といわれております。ただし、ワクチンの効果発現には2週間程度必要ですので流行する前に接種を済ませましょう。

冬場も健康に過ごすため、日々の手洗い・うがいなどの感染症対策とともに、免疫力が低下しないように規則正しい生活・食事をこころがけていきましょう。

出典

国立感染症研究所

http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

厚生労働省インフルエンザQ&A

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

島根県感染症情報センター

http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/topics/flu/flu_rna.htm