二月に入り秋田も寒い日が続いております。冬は寒さに加え乾燥しやすい時期でもあります。部屋の中では暖房器具により眼が乾燥しやすい状況になっていませんか?
今回のよもやま話は眼の乾きであるドライアイについてお話させていただきます。
はじめに
ほとんどの眼の病気は“加齢”が大きな要因になります。しかし、ドライアイに関しては若い世代にも起こります。エアコンやパソコン・スマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴いドライアイ患者さんも増えており、その数は約800~2,200万人ともいわれています。
ドライアイとは
涙(涙液)の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、眼の表面を潤す力が低下した状態です。また重症になると眼の表面に無数の傷がついている場合もあります。
ドライアイの主症状としては
眼の不快感(ゴロゴロする、乾き、痛み、疲労感)
見えにくさ(かすみ、まぶしさ)
身体の症状(肩こり、腰痛、頭痛) などがあげられます。
原因
涙が不足したり質が悪くなる原因には、眼の病気やある種の薬の影響があげられますが、健康な人でも年齢と共に涙は少なくなりますし、夜間やストレスが高い時も少なくなります。
一方、涙は十分分泌されていても、パソコン・スマートフォンの使用、車の運転や読書など眼を酷使する作業によりまばたきが少なくなり、眼が乾きやすくなります。また部屋が乾燥していると眼も乾きやすくなります。コンタクトレンズやアレルギー性結膜炎もドライアイと深く関係しているといわれています。
検査方法
・シルマー試験:涙の量を調べる検査。下まぶたに専用のろ紙を当て、5分間でどのくらいの長さが濡れるか調べる。
・涙液層破壊時間(BUT検査):眼の表面を覆っている涙が、どのくらいの時間で乾燥し始めるかを調べる検査。フルオレセインという色素を点眼後、まばたきを止めて涙液が乾燥するまでの時間を測定。
対策
最近眼の乾きを感じる方は、次のような対策を行ってみてください。ただし、症状が強い時は速やかに専門医を受診してください。
対策1 眼の休息
・スマートフォンやパソコンをよく見ている人は、定期的に眼を休める。
・遠くを見たり、眼を動かして眼の緊張を和らげる。
・まばたきの回数を意識的に多くする。
・蒸しタオルで眼を暖め血行をよくする。
・睡眠不足など生活習慣の乱れにより、涙の分泌量が少なくなるため、生活を見直
す。
対策2 目薬の利用
症状がひどい場合にはドライアイ専用目薬を利用する。ただし目薬には*防腐剤が含まれているものもあるので習慣化には注意。(防腐剤による角膜の炎症やアレルギーなどの副作用報告があるため)
*防腐剤:ホウ酸、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノールなどを指し開封後
の微生物による汚染を防ぐ目的で含まれている。
対策3 部屋の湿度を保つ
部屋の湿度が下がると、ドライアイになるリスクが高くなるので加湿器などを利用して部屋の湿度を保つようにする。
また、エアコンの風が直接当たらないように気を付ける。
対策4 アイメイクに気を付ける
最近は、眼を大きく見せるための「ぱっちりメーク」が流行っていますが、*マイボーム腺がふさがれ、油分が分泌できなくなることがあります。ドライアイにならないためにもメーク落としをしっかりと行なうことが重要です。
*マイボーム腺: まつ毛の生え際の内側に、整列している小さな点のようなもの。油分を分泌し、涙の成分に油分を加え、油膜を作って涙の蒸発を防いでいます。
ドライアイの可能性を自己判断してみましょう
ドライアイではなくとも、例えば眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていないと眼が疲れやすく感じます。次のチェックリストでドライアイの可能性をチェックしてみましょう。
次の症状であてはまる項目にチェックをつけてください。ただし年に1、2度程度の症状はあてはまりませんが、軽度でも長期間にわたって現れる症状にはチェックをつけてください。
1 | 眼が疲れやすい | □ | 7 | 眼が痛い | □ |
2 | めやにが出る | □ | 8 | 涙が出る | □ |
3 | 眼がごろごろする | □ | 9 | ものがかすんで見える | □ |
4 | 重たい感じがする | □ | 10 | 眼がかゆい | □ |
5 | 眼が乾いた感じがする | □ | 11 | 光を見るとまぶしい | □ |
6 | 何となく眼に不快感がある | □ | 12 | 眼が赤い | □ |
チェックが5つ以上ならドライアイの可能性があります。さらに10秒以上眼を開けていら
れない、まばたきの回数が多い(40回/1分以上)なら、その可能性がさらに高いといえるでしょう。
出典
目の病気百科:ドライアイ 目の情報ポータル 参天製薬
www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/dryeye/
写真:大塚製薬株式会社資料より