2021.02.10 健康生活よもやま話

薬物乱用頭痛に注意!

[執筆者]

佐野薬局大瀬店 薬局長 門間 久典

頭痛持ちの人は、いつ頭痛が起きるかわからないという不安があるため、痛い時はもちろん、痛くない時も予防的に薬を飲んでしまいがちです。
「痛くなったら困るから薬を飲んでおこう」などという具合に薬への依存がエスカレートしていく傾向があります。すると薬の量が増え、効き目が持続する時間も短くなり、やがては薬そのものによって頭痛が誘発される可能性もあります。これが「薬物乱用頭痛」です。

薬物乱用による頭痛は反跳性頭痛、薬物誘発頭痛、薬物誤用頭痛などとも呼ばれていました。その頻度は5~10%で、片頭痛の0.5~1%、緊張型頭痛の0.3~0.5%で起こると推定されるそうです。不安やうつ状態につながることもあります。薬物乱用頭痛の症状が出てくる期間は平均18年にもなるとされています。以前から頭痛がある方で、頭痛が1ヵ月に15日以上あって、その都度、鎮痛薬を飲むという場合は薬物乱用頭痛が疑われる目安となります。
現在日本では「ロキソプロフェン」「アスピリン」「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」などの成分が配合されている鎮痛薬がドラッグストアで簡単に手に入ります。テレビCMでも「頭痛に効く!」と積極的な宣伝もみうけられます。しかし、それに頼り続けると薬物乱用頭痛が起こる可能性があることに、十分注意しておくことが必要です。
「最近頭痛薬の効果が弱くなったように感じる」「頭痛の頻度が増えた気がする」「痛み止めをいくら飲んでも効かない」など、当てはまる症状がある場合は自分一人で悩まずに、早めに主治医に相談してみてはいかがでしょうか。

参考:
更級医師会HP 健康かわら版:https://www.sarashina-med.net/
第一三共ヘルスケアHP 薬物乱用頭痛:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/
画像:https://www.irasutoya.com/