2022.06.01 健康生活よもやま話

天気痛

[執筆者]

みらい調剤薬局やかた店 薬局長 星 忍

以前より「雨の前に古傷が痛む」などと聞いたことがあると思いますが、雨や雪、気圧や温度の変化など天候による体調の悪化を「気象病」と呼んでいます。これは正式な病名ではありませんが、その症状は、倦怠感・めまい・頭痛・腹痛・気分の落ち込みなどあるようです。その中でも天気が悪くなるときに痛みがでるのが「天気痛」です。その痛みも、関節リウマチや片頭痛、腰痛の他、頚部痛、三叉神経痛など様々ですが、今回は頭痛についてお話しします。

天気の崩れで頭痛が起きる方は、気圧変化に弱いようです。台風の前後や大きい低気圧が来るときに頭痛が起きますが、天気の良いときでも症状が出ることがあります。耳の奥には内耳があり気圧を感じ取るセンサーの役割があると言われています。かなり敏感な方は、自動車や新幹線でトンネルに入った時にも頭痛がするようです。内耳が気圧変化を敏感に感知してしまっているのですね。
 
 天気痛の予防や症状を和らげるには、内耳の血行を良くする耳のマッサージがお薦めです。耳をつまんで上下左右にゆっくり5秒ずつ、優しくひっぱって5秒・耳をたたんで5秒、手で耳を押さえて回すように5秒マッサージしてください。
漢方薬では五苓散(ゴレイサン)も、気象病の頭痛に効果があると言われています。これは下痢や嘔吐、頭痛やむくみに使われます。天気痛に対しては体内の水分バランスを整えることで効果をあらわすと考えられます。服用については医師や薬剤師にご相談ください。

また、天気痛は前もって起きやすい日を知っておくと予防や対処がしやすいと思います。最近では携帯アプリ(頭痛ーる)や気象情報サイト(天気痛予報)などでも頭痛が起きやすい日を確認する事が出来ます。あらかじめ知っておいて予防をし、少しでも頭痛を緩和させてください。

※頭痛ーるhttps://zutool.jp/  
※天気痛予報https://weathernews.jp/s/pain/

参考
日本医師会HP 健康プラザhttps://www.med.or.jp/people/plaza/
NHKクローズアップ現代 https://www.nhk.or.jp/gendai/
第94回日本薬理学会年会 セッションID: 94_3-P1-07