2022.11.22 健康生活よもやま話

気象病とセルフケア

[執筆者]

佐野薬局マルナカ店 薬局長 赤坂 福子

今年の異常に暑かった夏のことはすっかり忘れてしまい、昨今は暖房が欠かせない時期となりました。この季節の変わり目には体の不調を感じている方が多いのではないでしょうか。気圧や温度、湿度など気候の変動に伴い起こる不調全般(頭痛、めまい、耳鳴り、全身倦怠感、咳がでやすい、うつ状態など)は気象病と総称されています。その中で天気が悪くなるときに痛みの出る「天気痛」について以前の健康生活よもやま話で取り上げました。(https://www.sano-ph.co.jp/cms/note/health-column/2022/06/01/903/
今回は気象病第2弾としてお話してみたいと思います。気象病は現段階で治療として正式にみとめられるような確固たるエビデンスがないのが現状のようですが、症状を改善させる方法はあるようです。

気象病にかかりやすい人、気象病になりやすい時期は?
気象病を訴える方は子供から高齢者まで全世代にわたりますが、女性の10~50代で多いようです。症状が強くなる理由は生理や更年期などの女性ホルモンの変化に関係があると考えられています。気象病のピークは梅雨と台風シーズンのようです。特に台風は低気圧の塊で、気圧の変動が大きいので普段さほど症状出ない人でも不調を起こしやすく、また、梅雨時は低気圧が長引くことによる関節痛の悪化、季節の変わり目は気温の差と気圧の変動が大きいため症状がでやすいと言われております。

気象病がつらい時の対処法について
・横になったままで回復するのを待つ。
ただし横になった状態が長くなりすぎると、回復へのステップがより遅くなる傾向があるようです。
・少しずつ体を動かす。
ベッドに横になりながらも少し動けそうな時は、胸式呼吸と腹式呼吸を行う、手足をグーパーする、軽いストレッチや耳のマッサージをする
・できる限り体を動かす。
気象病が疑われる方は、自分にできる治療やセルフケアをすることで、より体を動かすことができるようになります。さらには気象病による悩みが減ることにつながると考えられます。

しかしながら、体調不良がすべて気圧のせいとは限りませんので、まずは医療機関で原因がどこにあるかを、診てもらうことが大切です。

参考
気象病ハンドブック低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア:誠文堂新光社
第一三共ヘルスケアHP:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/
画像:いらすとや https://www.irasutoya.com/p/figure.html