2023.06.09 健康生活よもやま話

低GI食のすすめ

[執筆者]

佐野薬局将軍野店 薬局長 佐々木 俊裕

皆様、最近スーパーなどに買い物に行くと低GIという表記を目にしたことがありませんか?GI(ジーアイ)とはグリセミック・インデックスの略で食後の血糖値の上昇しやすさを示す指標です。この値が低いほど血糖上昇が緩やかで体への負担が少ない食品と言えます。
健康な食事の摂り方の一つとして今、低GI食が注目されていますのでお話ししたいと思います。

〇血糖値が急激に上がるとどんなリスクがある?
通常、食事で糖質を摂ると血糖値が上がり、すい臓から血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌されます。急激な血糖値の上昇が起こるとインスリンの分泌量も増え血糖値の急降下を招きます。こういった状態をグラフで見るととげのような形になっていることから「血糖値スパイク」と言われます。血糖値スパイクは健康診断で測る空腹時血糖ではなかなか発見されないため注意が必要です。糖尿病や肥満症を発症する可能性が高くなるだけでなく、血管にダメージを与え動脈硬化を引き起こしやすく、心筋梗塞や脳梗塞に発展するケースもあります。最近の研究では認知症やがんのリスクも高める可能性もあるとされています。

〇GI値を低くするには?
調理方法や商品によりGI値は変わりますが、GI値の低いものには「糖質が少ない」、「食物繊維が豊富」、「レジスタントスターチが多い」という特徴があります。
レジスタントスターチとは消化酵素で分解されず大腸まで届く難消化性のでんぷんのことです。冷めていく間に増える性質があります。でんぷんですが食物繊維と似たような効果があり腸内の善玉菌をサポートし、腸内環境改善にも役立ちます。
以上のことから下記のような食生活を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

・お菓子はせんべい、ドーナッツ、ケーキなどから高カカオチョコレートや、ナッツ類にしてみる(マカダミアナッツ、くるみ、アーモンドなど)
・主食を白米やパン、パスタなどから食物繊維が豊富な玄米やライ麦パン、全粒紛パン・パスタへ置き換えてみる
・レジスタントスターチを増やすため炭水化物は冷やして食べてみる

〇低GI食のさらなる効果とは?
大豆や大麦などを含む低GI食にはその時だけでなく次の食事の血糖値の上昇も抑えることができる「セカンドミール効果」も示唆されています。朝や昼の食事から取り入れてみてもいいかもしれません。

血糖上昇が緩やかになることで糖尿病や肥満の予防や、脳や心臓の血管を守るためだけでなく、食後の眠気が起こりにくくなることで、仕事や勉強の効率アップにもつながりやすくなります。バランスの良い食事を前提に日々の食事を低GI食に置き換えてみてはいかがでしょうか?

参考資料:
大塚製薬 GIについて学ぼう
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/
社会福祉法人 済生会 血糖値スパイクを予防しよう
https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/blood_sugar_spike/
腸活ナビ 冷やご飯はダイエットの味方!?
https://www.biofermin.co.jp/chokatsu_navi/
いらすとや
https://www.irasutoya.com/