2023.09.08 健康生活よもやま話

カフェインの摂り過ぎに注意!

[執筆者]

佐野薬局勝平店 管理薬剤師 高橋 友子

カフェインはコーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれている食品成分の一つです。効果としては、眠気覚まし、興奮作用による疲労感の軽減、利尿作用によるむくみ予防、血管収縮による頭痛の軽減、運動能力の向上、脂肪代謝促進作用などがあると言われています。良い面もある一方で、カフェインを過剰に摂取すると、めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠・消化器官の刺激による下痢や吐き気などを引き起こすことがあります。そのため、胃潰瘍や心疾患、緑内障の方は普段から気をつけなくてはなりません。

ここで、主な飲料に含まれるカフェインの量をみてみると、

食品名カフェイン濃度備考
コーヒー(浸出液)60 mg/100 mLコーヒー粉末10 g、熱湯150 mL
インスタントコーヒー(粉末)2 g使用した場合、1杯当たり80 mg
せん茶(浸出液)20 mg/100 mL茶葉10 g、90℃湯430 mL、1 分
ほうじ茶(浸出液)20 mg/100 mL茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
玄米茶(浸出液)10 mg/100 mL茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
ウーロン茶(浸出液)20 mg/100 mL茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
紅茶(浸出液)30 mg/100 mL茶葉5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分)
エナジードリンク32~300 mg/100 mL製品によって内容量が異なる。

等となっております。最近では、カフェインを多く含むエナジードリンクを飲み過ぎて中毒死した例もあり注意が必要です。

では、どのくらいまで、カフェインを摂取して良いのでしょうか。海外での情報となりますが、カナダでは、健康な大人で1日あたり400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとしています。イギリスでは、妊娠した女性は1日当たり200 mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)です。※マグカップは237 ml入り

また、カフェインは飲み物だけではなく、風邪薬や眠気防止薬、酔い止め薬等の市販の医薬品にも、製薬用に水を取り除いた無水カフェインとして含まれています。これらの薬を服用した場合は、いつも飲んでいるコーヒーなどのカフェイン含有食品の量を減らしたり休んだりした方がよいでしょう。

適量であれば良い効果をもたらしてくれるカフェイン。摂取量に気を付けながら上手に付き合っていきたいですね。

厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
農林水産省 カフェインの過剰摂取について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
食品安全委員会 食品中のカフェイン
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
アリナミン カフェインの効果を解説
https://alinamin.jp/tired/caffeine-effect.html
いらすとや
https://www.irasutoya.com/