2023.10.05 健康生活よもやま話

「今こそ腸活!腸を潤す食生活」

[執筆者]

佐野薬局城東店 管理栄養士 太田 優絵子

暑さ厳しい夏が過ぎ去り、やっと涼しくなってきた今の時期、注意しなければならないことのひとつに「便秘」があります。夏に冷たいものばかり食べたり、冷房が効きすぎた部屋で過ごしたりした影響は涼しくなってきた秋にも続きます。冷えは新陳代謝を落とし、便秘になりやすいからだを作ります。さらに、気温の低下で注意しなければならないことが、水分の摂取量です。知らず知らずのうちに水分補給の回数が減ってきてはいませんか?夏にしっかり摂取していた水分が急に不足することによって、からだは乾燥し、便秘の症状が出やすくなります。こうして便秘の状態が続き、腸内環境が悪化して腸内細菌のバランスが崩れると、免疫力の低下にもつながります。この時期は、夏の疲れを引きずらないよう腸のケアを最優先にしていきましょう。

〖腸を潤す食材たち〗
●海藻類
海藻類は腸を潤すにはもってこいの食材で、ヨウ素やビタミン、カルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維の宝庫です。水溶性食物繊維である「フコダイン」や「アルギン酸」は、胃腸の粘膜を守り、さらに、肝臓の働きも助けると言われています。習慣づけるポイントは、乾燥わかめやとろろ昆布などの乾物を食卓に常備しておくことです。視界に入るところに配置し、つねに汁物に入れる習慣をつけると取り入れやすくなります。また、秋田県の名産品「ぎばさ」は、海藻の中でも特に栄養豊富です。食物繊維やミネラルの種類はトップクラスで、スーパーフードとも呼ばれています。

●高野豆腐
高野豆腐は、豆腐を一度凍らせて解凍し、脱水したものです。不溶性の食物繊維を含み、腸内環境を整えます。さらに、たんぱく質やミネラル、ビタミンも凝縮してある万能食品です。高野豆腐は、煮物や和食のイメージが強いですが、パン粉の代わりにしたり、炒め物やお味噌汁に入れたりと、意外にも自由度の高い食品です。乾物なので、常備しておくととても重宝します。

●納豆
腸内環境を整える代表的な食材といえば納豆です。納豆には、たんぱく質やビタミンE、イソフラボン、カルシウムなどの栄養が詰まっています。また、納豆菌は、腸内で活性化して善玉菌が住みやすい環境を作って腸内環境を整えます。発酵食品で腸を潤して、善玉菌を増やしていきましょう。

〖腸を潤すおすすめレシピ~高野豆腐ハンバーグ~〗
〇材料(2人分)

高野豆腐1個
玉ねぎ1/2個
合いびき肉150g
乾燥わかめ2g
1個
大根120g
青ねぎ少々
少々
こしょう少々
ポン酢しょうゆ適量
サラダ油大さじ1/2

〇作り方
I.玉ねぎはみじん切りにする。高野豆腐とわかめはもどして水気を絞り、みじん切りにする。大根はすり下ろして、軽く水気を切る。青ねぎは小口切りにする。
II.耐熱容器に玉ねぎを入れ、電子レンジ(600W)で2~3分加熱する。
III.ボウルに高野豆腐、玉ねぎ、合いびき肉、わかめ、卵、塩、こしょうを入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。混ぜ合わせたら、半分に分けて小判型に整え、真ん中を少しくぼませる。
IV.フライパンに油を熱し、Ⅲを入れて焼く。両面に焼き色がついたら、蓋をして弱火で5~6分焼く。
V.大根おろしをのせて、ポン酢しょうゆと青ねぎを散らせば完成。

参考
大久保愛「1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣」:ISBN:978-4-7993-2482-0