2024.03.19 健康生活よもやま話

塩分と高血圧について

[執筆者]

山王薬局 薬局長 上遠野 剛司

【山王薬局 薬局長 上遠野剛司】

誰しも「塩分を摂りすぎると血圧が高くなる」という話は聞いたことがあるでしょう。しかし、どうして血圧が上がるかについてはあまり知られていないのではないでしょうか。食塩などによる塩分を摂りすぎると血圧が上がる理由は、食塩(塩化ナトリウム)の主成分である「ナトリウム」にあります。塩分を摂りすぎると身体の中のナトリウムが増えて血液中の水分が増える働きがあって、増えた血液が血管の壁を押す力が強まり血圧が上昇します。

では、その塩分はどのくらいなら摂ってよいものでしょうか?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりのナトリウムの摂取目標量(食塩相当量)を成人男性の場合7.5g未満、成人女性の場合6.5g未満としています。また、高血圧の予防・改善のためにはナトリウムの摂取を食塩相当量で1日あたり6g未満に抑えることが望ましいとされています。

しかしながら、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量は2016年の調査では食塩摂取量の平均値は約10グラムであり中々目標値まで達成することは簡単ではありません。

そこで、減塩の方法についていくつか提示してみます。
〇漬物は控え、麺類の汁は全て飲まない。
〇みそ汁を具沢山にして味付けを薄めにする。
〇調味料は減塩を選んで控えめに使う。
〇香辛料や香味野菜、また果物の酸味などを利用する。

このように、ちょっとしたひと工夫で減塩を進めることができます。いずれにしても、塩分が多く含まれる食品を摂り過ぎないことです。

高血圧は予防も含めて長い目で付き合っていく必要があるものです。自身の生活を見直しながら生活習慣を整えていくようにしましょう。

出典
・Medi Palette 健やかな未来を、ここから
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・厚生労働省「国民・栄養調査(2016年)」