2026.05.20 健康生活よもやま話

「春の疲れを和らげよう」

[執筆者]

佐野薬局東通店 管理栄養士 太田優絵子

暖かな陽気に包まれ、心穏やかに過ごせる季節です。その一方で、新年度が始まって1か月、周囲の環境が大きく変わった人も変わらない人も、からだの疲れや、様々なストレスが溜まりやすい時期です。そんな時こそ焦らずに自分のペースを保てるといいですね。体の内側から癒してくれる栄養素の力を借りて、心身の健康を目指しましょう。今回は鉄分について取り上げました。

心身が疲れた時には鉄分を意識する
鉄分は、心の安定に役立つ神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの生産、全身への酸素の運搬、体力や気力の源となるエネルギーをつくるミトコンドリアの働きに欠かせない栄養素です。しかし、性別や年齢にかかわらず、現代人は鉄分不足に陥りがちです。不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こし、疲労感や息切れ、頭痛、食欲不振などの症状が表れることがあります。今回は効率よく、簡単に摂取できる方法をご紹介します。

2種類の鉄分をバランスよく摂る
鉄分には、肉や魚などの動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と野菜や海藻などの植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」があります。吸収がいいのはヘム鉄ですが、食事全体のバランスを考えると2種類を組み合わせて摂るのが効果的です。そのためにも、1回の食事で必要な栄養素を摂ろうとはせず、毎日3食しっかり食べることが重要です。

吸収を助ける栄養素と一緒に摂る
「ビタミンC」は鉄分の吸収をよくしてくれる代表的な栄養素です。ビタミンCが豊富な野菜類や果物類を一緒に食べることで、鉄分の吸収を高めてくれます。一方で、鉄分の吸収を妨げてしまう栄養素もあります。それは、緑茶や紅茶、コーヒーに含まれているタンニンです。鉄分と結合してからだに吸収されにくくしてしまうため、貧血が気になる時は、食事中や食後に大量に摂ることは避けましょう。もしタンニンを含む飲み物を飲む場合は、食事と食事の間の時間帯に飲むことをおすすめします。

実践:おすすめレシピ「ピーマンの肉詰め」
豚、牛、鶏など、どのお肉にも鉄分は多く含まれています。今回は調理のしやすいひき肉とビタミンCが豊富なピーマンを使ったレシピです。時間のある週末に多めに作り、1食分ずつ冷凍しておくと便利です。
材料(2人分)
・豚ひき肉     150g
・ピーマン     3個
・玉ねぎ      1/4個
・パン粉      大さじ2
・牛乳       大さじ1と1/2
・薄力粉      大さじ1/2
・塩こしょう    少々
・サラダ油     小さじ1/2
☆ソース
・オイスターソース 大さじ1/2
・ケチャップ    大さじ1/2
・みりん      大さじ1/2
・酒        大さじ1/2

作り方
①玉ねぎはみじん切りにする。耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、600Wのレンジで1分間加熱して粗熱をとる。
②ピーマンは縦半分に切り、へたと種を取り除く。爪楊枝で数か所穴をあける。(穴をあけることで、肉だねが離れにくくなる。)
③ポリ袋にピーマン、薄力粉を入れて振り、一度取り出す。
④③のポリ袋に①、豚ひき肉、パン粉、牛乳、塩こしょうを入れて粘りが出るまで袋の上から揉む。ポリ袋の先端を切り落とす。
⑤ピーマンの内側に肉だねをしぼり、形を整える。
⑥フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、⑤をひき肉の面を下にして入れ、焼き色がつくまで焼く。☆を入れて全体にからめ、肉に火が通るまで弱火で7分蒸し焼きにする。

参考資料
・大久保愛.1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣.Discover21.2019
・飯田薫子 寺本あい.一生役立つ きちんとわかる栄養学.西東社.2019